肝細胞癌(HCC)は再発が多く有効な治療法の確立が望まれている腫瘍である。肝臓は鉄の貯蔵を担う臓器であり、鉄蓄積は酸化ストレスを介した肝発がんを促すことが知られている。複雑なメカニズムによって制御される鉄代謝はがん細胞生存にとって極めて重要であり、HCCにおける鉄代謝関連タンパクの役割を明らかにすることは重要である。本研究により癌部におけるTFR1高発現は、AFP高値(p<0.0001)、低分化(p<0.0001)と関連しTFR1高発現が予後不良であった。 以上よりHCCにおけるTFR1の高発現は、肝切除後の再発および生存における予後不良因子であると考えられる。
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