本研究では、唾液腺に発生する粘表皮癌、腺様嚢胞癌、乳腺類似分泌癌に焦点を当てた。[粘表皮癌]本腫瘍においては、新規亜型であるワルチン腫瘍類似粘表皮癌を提唱し、amphiregukin高発現の意義を明らかにし、CRTC1-MAML2融合遺伝子陽性症例を示す非進行例では術後放射線治療が不要であることを指摘した。[腺様嚢胞癌]MYB、MYBL1、NFIB遺伝子異常、EGFR経路遺伝子異常の意義を明らかにした。また免疫治療と関連が深い癌精巣抗原が多く発現していることを明らかにした。[乳腺類似分泌癌]定型的なETV6-NTRK3融合遺伝子以外に新規遺伝子異常が本腫瘍に関与していることを明らかにした。
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