潰瘍性大腸炎(UC)の発癌過程において,大腸粘膜の慢性炎症によりmicroRNA(miR)の機能が障害され,その結果,異形成を経て癌化に至るとする仮説を立てた.その仮説を証明するために, UC関連異形成・発癌切除例の炎症粘膜,軽度・高度異形成,浸潤癌を抽出し,miR20a,miR21,miR93,miR181b発現の比較解析を行い,UC関連癌と通常型大腸癌との比較も行った.その結果,miR20aとmiR181bは炎症粘膜,異形成,浸潤癌で発現が漸減したが,逆にmiR21とmiR93は漸増した.また,UC関連浸潤癌では通常型大腸癌に比し,miR20a発現が有意に低かった.
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