研究課題
最終年度にはこれまでに行った研究成果の発表を主に行った。まず卵巣明細胞癌において、低酸素誘導因子Hypoxia inducible factor-1α (HIF-1α)遺伝子多型の頻度や予後、蛋白発現との相関を調査した。主要な多型であるC1772TとG1790Aは、卵巣明細胞癌において健常群や他癌腫よりも高頻度にみられることを見出した。C1772TとG1790Aの多型と蛋白発現や患者予後との相関はみられなかった。これらの結果を「Association of the hypoxia-inducible factor-1α (HIF-1α) gene polymorphisms with prognosis in ovarian clear cell carcinoma.」として論文発表した(J Ovarian Res. 2019 Jan 24;12(1):7.)。また卵巣明細胞癌の主要な原因遺伝子であるARID1Aと、HIF-1αやその制御因子であるヒストン脱アセチル化酵素histone deacetylase (HDAC)6との相関を解析した。ARID1A変異がみられない群ではHIF-1αやHDAC6は患者予後と相関しないが、ARID1A変異を伴う群ではHIF-1αやHDAC6の高発現が患者生存期間を有意に短縮した。HIF-1αやHDAC6が卵巣明細胞癌の治療標的となる可能性、またARID1Aの変異がそのバイオマーカーとなりえることを示した。これらの結果を「Clinicopathological correlation of ARID1A status with HDAC6 and its related factors in ovarian clear cell carcinoma.」として論文発表した(Sci Rep. 2019 Feb 20;9(1):2397.)。
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