炎症性腸疾患特異的バイオマーカーOLFM4は潰瘍性大腸炎とクローン病において異なる二相性の発現誘導を受ける。その機序を明らかにして関連腫瘍発生機構を解明すること目的とした。 OLFM4は潰瘍性大腸炎ではNF-kappaB、クローン病ではAP-1系による発現を受け、組織学的な炎症活動性と相関すること示した。特に生検材料に着目することにより、OLFM4発現とリン酸化NF-kappaB発現はUCの病理組織診断上有用であることを示した。 糖タンパク質OLM4はWNT受容体であるFrizzled7に結合してWNT系を阻害し、上皮間葉連関を抑制する。関連腫瘍の浸潤能の高さと関連することが示唆される。
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