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2017 年度 実績報告書

新規転写抑制因子標的遺伝子群から見た非浸潤性乳癌進行の分子病理学的機構

研究課題

研究課題/領域番号 15K08358
研究機関愛知医科大学

研究代表者

笠井 謙次  愛知医科大学, 医学部, 教授 (70242857)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード乳癌 / DCIS / 転写抑制因子 / 標的遺伝子 / FAM64A / クロマチン制御 / DNA複製
研究実績の概要

これまでに同定した1,114個のTSHZ2標的遺伝子候補をさらにNCBI登録済みdatabaseや既報文献と比較した結果、TSHZ2標的遺伝子候補をFAM64A、FAM83D、DLGAP5、FOXM1、DONSONの5つに絞り込んだ。これら5遺伝子産物に対する特異抗体を用いて免疫組織染色を行った所、いずれも正常乳管上皮細胞に比し乳癌細胞での過剰発現を観察した。しかしその陽性パターンは相互に異なったことから、これら5遺伝子の発現制御には恐らくTSHZ2以外の制御機構も関与していることが示唆された。
これら5遺伝子産物のうち、特にFAM64Aの解析を進めた。198例の乳癌手術材を免疫組織染色した所、triple-negative乳癌(TNBC)の約半数の症例で核に陽性であった。さらに5つのTNBC細胞株のうち3つでvariant1のみのFAM64A発現を観察した。これらvariant1陽性TNBC細胞株はFAM64Aを核に集積させていることから、乳癌手術材の核陽性例を模倣する細胞株であると考えた。これら核FAM64A陽性TNBC細胞株をFAM64A特異的siRNAで処理をすると細胞死を起こすことから、FAM64Aの核内機能がこれらTNBC細胞の生存に必修である可能性が示唆された。そこでHalo-tag FAM64A variant1をHEK293T細胞に強制発現させ、その核分画からFAM64A結合蛋白をLC/MSにて解析した所、SMARCA5、BAZ1BやMCM2などクロマチン制御・DNA複製に関わる因子を同定した。以上からTSHZ2の機能の一部として、FAM64Aを介してクロマチン制御・DNA複製を行っている可能性が示唆された。

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公開日: 2018-12-17  

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