MM1型孤発性Creutzfeldt-Jakob病(CJD)11例の嗅球および嗅粘膜を検討した。嗅球では海綿状変化は目立たず、長期経過例でも神経細胞脱落は明らかでなかった。抗プリオン蛋白(PrP)抗体を用いた免疫染色では、嗅球にシナプス型PrP沈着を認め、特に糸球体、僧房細胞層、顆粒細胞層、前嗅核で強かった。嗅粘膜にもPrP沈着を認めた。PrPの沈着所見は短期経過例から長期経過例までほぼ同様に観察された。嗅球は病初期からPrP沈着が認められるものの、CJDの病変進展に対し抵抗性があると考えられた。5例で嗅球のウエスタンブロット解析を施行し、全例で1型PrPを示唆するバンドパターンが得られた。
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