組織中の音速(SOS)と組織の硬さが相関することを利用して、老化を数値化して評価しようとした研究である。皮膚、血管、心臓弁について評価した。 皮膚について高齢者の真皮は若年者よりもSOSが低い、一方表皮はSOSが高く、高齢者の皮膚は表面は硬いが、深部がゆるい事実に対応した。表皮はペプシン消化で急速に低下し、脆いことがわかった。大動脈、腎動脈は加齢に伴って非動脈硬化部のSOSは低下がみられ、蛋白分解処理に抵抗性を示した。大動脈解離、大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁腱索の断裂部は周囲と比べ、SOSの低下があり、蛋白分解処理を受けやすかった。蛋白分解処理を取り入れたSOSの計測による老化評価は可能である。
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