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2016 年度 実施状況報告書

膵癌先駆病変の悪性度と細胞分化,形態変化の網羅的解析―臨床診断への応用に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 15K08384
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

永田 耕治  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80398289)

研究分担者 清水 道生  埼玉医科大学, 医学部, 名誉教授 (60226256)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード小膵癌 / PanIN / IPMN / 膵管癌
研究実績の概要

膵癌はその大部分が,膵管癌であり,その発生母地としてはその前癌病変を想定した異型上皮とされるPanINがあり,通常型の浸潤癌へと進展していくと考えられている.また,IPMNから発生する癌は,PanINから発生する癌に比べると頻度は低いが,その組織像としては大きく2種類が存在し,一つはintestinal typeのIPMNから発生する粘液癌で,もう一つはgastric typeのIPMNから発生する通常型膵管癌である.PanINおよびIPMNに関しては,2003年に米国BaltimoreのJohns Hopkins Medical Institutionsにて両者の概念を再検討する国際会議が開かれ,本研究の分担者はその日本の代表として会議に出席し,2003年の内容は論文として発表された(Am J Surg Pathol 2004; 28: 977-987).その後さらに,IPMNとMCNの治療に関する国際的ガイドライン作成の国際会議が行われ,本研究の分担者はその病理学的立場の代表として出席し,論文として発表されている(Pancreatology 2006;6:17-32).
今回の研究は,特に膵癌の前癌病変や初期病変(小膵癌)を念頭において,IPMNとPanIN病変について,形態学的な所見と最近のトピックスといえる分子標的治療に大きく関わる癌の増殖,浸潤といった標的分子に着目し,癌細胞自身に発現される細胞増殖やそのレセプター,シグナル伝達分子,さらに代謝の変化などと共に,間質の血管走行の変化など,病変を直視してみられる形態変化などの検討を行う.これらの結果を踏まえて,病理組織学的診断基準の精度向上と,膵管鏡による悪性度診断の精度向上を追求し手術適応の有無の精度向上,最終的には膵癌の分子標的治療への可能性を検討する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまで検討し,集積してきたIPMN症例(90症例)と膵癌症例(100例)のうちIPMN由来と考えられる標本の免疫染色(間質の血管密度や走行の変化,上皮細胞の変化と間質の変化,細胞増殖マーカー,EMT関連のマーカー,さらに血管新生マーカー, 接着マーカー)の評価方法の検討,さらに膵癌で指標となっているKRAS2,TP/p53,CDKN2A/p16,COX-2,SMAD4/DPC4などの評価が若干遅れている.

今後の研究の推進方策

標本の免疫染色(間質の血管密度や走行の変化,上皮細胞の変化と間質の変化,細胞増殖マーカー,EMT関連のマーカー,さらに血管新生マーカー, 接着マーカー)の評価方法のについて,バーチャルスライドによる評価の個別至適値の検討を行う.

次年度使用額が生じた理由

研究成果の発表と論文化がなされていないため,そのために計上していた予算が未消化となっている.

次年度使用額の使用計画

本年度は,研究成果の発表のため,使用する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 【膵癌取扱いに関する新たな知見と基準】 比較的稀ではあるが重要な膵疾患2016

    • 著者名/発表者名
      清水 道生, 永田 耕治
    • 雑誌名

      病理と臨床

      巻: 34 ページ: 816-823

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 画像診断と病理 膵粘液癌2016

    • 著者名/発表者名
      酒向 朋子, 佐野 勝廣, 市川 智章, 岡田 克也, 岡本 光順, 永田 耕治
    • 雑誌名

      画像診断

      巻: 36 ページ: 708-709

    • 査読あり

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公開日: 2018-01-16  

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