研究課題
平成27年度に引き続きVCPノックアウトマウスの作製を行った。凍結保存しておいた相同組換えES細胞クローン4個を用い、ICR系統の8細胞期胚に対しアグリゲーション法でキメラ胚を作製した。キメラ胚移植、出産後、離乳時に毛色によりキメラ率を判定した。 3個のES細胞由来の合計7匹のキメラマウスを獲得した。細胞寄与率上位のマウスを選別し、野生型マウスとの交配でF1産子を作製した。引き続き、F1産子を用いて、ホモノックアウトマウスの作製を開始するとともに、ヘテロマウスの各臓器の細胞の初代培養を行っている。平成28年度よりVCPトランスジェニックマウスの作製を開始した。ROSA26 locusにVCP組換えベクターをエレクトロポレーション法にてES細胞に導入し、薬剤選択後、薬剤耐性として得られたES細胞クローンをPCR法、サザンブロットハイブリダイゼーション法にて相同組み換えを確認した。ES細胞クローンを拡大培養、微生物検査後、凍結保存した。ES細胞クローン4個を用い、ICR系統の8細胞期胚に対しアグリゲーション法でキメラ胚を作製した。キメラ胚移植、出産後、離乳時に毛色によりキメラ率を判定した。 2個のES細胞由来の合計6匹のキメラマウスを獲得した。細胞寄与率上位のマウスを選別し、野生型マウスとの交配でF1産子を作製した。VCPノックアウトマウス、VCPトランスジェニックマウスの作製を継続して行うとともに、GdX(UBL4A) ノックアウトマウスとの交配を今後進める予定である。さらに各臓器の形態の検討や初代培養細胞を用いた生存能の検討も進める予定である。
3: やや遅れている
平成27年度ではノックアウトマウスの作製が困難であったが、平成28年度に作製することに成功した。トランスジェニックマウスの作製も順調に進んでおり、全体の進捗状況はやや遅延している程度である。
これまでの2年間に作製したVCPノックアウトマウス、トランスジェニックマウスを用いた解析、GdX(UBL4A)ノックアウトマウスとの交配を行っていく方針である。これらの検討を通して、より多くの知見を得ることを目標としたい。
本年度は他の研究費から先に使用したために、次年度使用額が生じることとなった。
平成29年度は、主として研究を行う研究機関が国際医療福祉大学に移る予定である。同大学医学部で円滑に研究を推進するべく、必要な備品も備えていくようにする予定である。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件)
Carcinogenesis
巻: 37 ページ: 972-984
10.1093/carcin/bgw085
Pancreatology
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10.1016/j.pan.2016.07.011.
World J Gastrointest Endosc.
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