大腸癌細胞では高頻度にWnt/beta-cateninシグナルが亢進し、これによりBMP4遺伝子の転写が亢進しており、この機能解析を行った。その結果、BMPI型受容体キナーゼ阻害剤によりこのシグナルを阻害すると、癌細胞にアポトーシスが誘導され、腫瘍形成が抑制された。またRNA-seqから、BMP-4は脱リン酸化酵素DUP5の発現を減少させ、Erkを活性化することでアポトーシス耐性を生じさせていることが判明した。本研究ではBMP-4シグナルを介した大腸癌細胞のアポトーシス制御の分子メカニズムを解明し、BMP阻害剤を用いた分子標的治療の可能性を明らかにすることができた。
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