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2016 年度 実施状況報告書

高悪性度の悪性腫瘍に対する新たな治療戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K08394
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

北川 昌伸  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10177834)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードアポトーシス / 悪性腫瘍の治療 / MCM2 / DNA損傷
研究実績の概要

悪性腫瘍の中には高悪性度、予後不良といわれる型のものがある。例えば乳癌 ではTriple negative(TN)型(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)の浸潤癌は、ホルモン治療やハーセプチン治療が無効で、neoadjuvantやadjuvant化学療法の有効性も低いため、非常に予後が悪いことが知られている。このような腫瘍に高発現する分子の一つとしてMCM2(minochromosome maintenance protein 2)に注目した。TN乳癌ではMCM2が非常に高率かつ強く発現されている。我々はこれまで、マウスを用いた実験によりMCM2を介したアポトーシス増強作用の機序を解明してきた。そこで本研究では、まずMCM2発現の高い悪性腫瘍細胞株を用いたin vitroの実験系でこの現象を再現し、新たなアポトーシス誘導経路に関わるMCM2の作用を明らかにするとともに、それを応用した治療モデルの作製を目的として実験を行う。具体的にはリコンビナント蛋白としてgp70を細胞内に導入する手段を開発し、白血病細胞および固型腫瘍細胞において、MCM2を用いたアポトーシス誘導実験系を構築する。in vitroでの確認ができたら、in vivoの腫瘍に対する治療実験を行い、その有効性を検証する。白血病細胞については、Friend leukemia virus(FLV)を感染させることによってgp70の導入に成功しているが(PLoS ONE 2012)、ウイルスの感染しない固型腫瘍由来の細胞についてもgp70を細胞内に導入するために細胞内導入ペプチドとgp70をタンデムに繋いだ蛋白を用いた手法を開発し、非常に良好な結果が得られている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画中の癌細胞を用いた実験系では、概ね目標としていた成果を得ることができた。

今後の研究の推進方策

今後は、in vivoの実験系で、MCM2を標的としたアポトーシス増強作用効果について検討し、臨床検体での鷹揚な可能性についても探る予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Role of microRNA 29b in myelodysplastic syndromes during transformation to overt leukemia.2016

    • 著者名/発表者名
      Kirimura S, Kurata M, Nakagawa Y, Onishi I, Abe-Suzuki S, Abe S, Yamamoto K, Kitagawa M.
    • 雑誌名

      Pathology

      巻: 43 ページ: 233-241

    • DOI

      10.1016/j.pathol.2016.02.003

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] SLUG expression is an indicator of tumour recurrence in high-grade endometrial carcinomas.2016

    • 著者名/発表者名
      Kihara A, Wakana K, Kubota T, Kitagawa M.
    • 雑誌名

      Histopathology

      巻: 69 ページ: 374-382

    • DOI

      10.1111/his.12971

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antimyeloma activity of bromodomain inhibitors on the human myeloma cell line U266 via downregulation of MYCL.2016

    • 著者名/発表者名
      Suzuki K, Yamamoto K, Arakawa Y, Yamada H, Aiba K, Kitagawa M.
    • 雑誌名

      Anticancer Drugs.

      巻: 27 ページ: 756-765

    • DOI

      10.1097/CAD.0000000000000389

    • 査読あり
  • [学会発表] 骨髄異形成症候群における造血幹細胞ニッチの関与2016

    • 著者名/発表者名
      北川昌伸、山本浩平、阿部志保、大西威一郎、桐村進、阿部晋也
    • 学会等名
      第105回日本病理学会総会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      2016-05-12 – 2016-05-14

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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