生物内の全遺伝情報がひとまとめになったものがゲノムである。ヒトゲノム内にあるヒト内在性レトロウイルス(HERV)はレトロトランスポゾンとして知られており、現在の外来性レトロウイルスの遺伝情報に似ている。本研究では、腫瘍組織内のHERV挿入変異の存在を検証した。次世代シーケンサー(NGS)の結果では、複数のHERV挿入変異の候補部位が同定されたが、長鎖PCRを用いた手法ではそれらを確認することはできなかった。個人間でHERVの遺伝情報量には違いがあり、それは挿入多型として知られているが、本研究の解析の過程で際立った特徴を持つHERV挿入多型が同定された。
|