分子標的治療薬開発を目指して、完全ヒト型抗ADAM28特異抗体を開発した。本抗体は、IC50=37.5 nMと低濃度でADAM28活性を阻害し、5種類のNSCLC細胞株におけるIGF-I誘導性細胞増殖抑制とVWF誘導性アポトーシス亢進を示した。マウスを用いた早期肺癌転移モデルにおいては、癌細胞の増殖・転移を抑制するとともに生存期間を延長した。進行期肺癌転移モデルでは、既知の抗癌剤や抗VEGF抗体よりも有意に増殖・転移を抑制し、生存期間を延長した。本抗体をマウスあるいはカニクイザルに過剰投与しても有害事象は認められなかった。本抗体はNSCLC患者の新規治療薬候補として期待される。
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