研究課題
1) 本研究に関連する(テロメア長調節に関する)論文作成(自著総説および共同研究者論文の添削、Reviewersの対する応答等)に多くの時間を費やした。その結果、英文原著1報が出版出来た(業績参照)。1報について再投稿準備中である。2)京都大学iPS研究所で樹立されたiPS細胞株中にすでに私達がテロメア長を解析している株が国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の細胞バンクに寄託されていたことから、数種を入手した。iPS化細胞株とその親株のテロメア長を染色体毎に比較検討し、これらのテロメア長と以前私達が解析した親株のテロメア長の比較検討を始めている。リプログラムによりテロメア延長が起こることは周知の事実ではあるが、細胞株特異性、染色体特異性に関する詳細な検討は未解明な点が多い。これまでの解析(MRC-5細胞、昨年度新たにTIG-114由来株を解析)から、全体的には概ね一定サイズまで伸長すること、染色体別には異なる伸長レートを示すことが示唆された。これまでの解析から、テロメア伸長と短縮に関する普遍的な法則性に関して、(特に、テロメア長短とリプログラミング効率の関連、テロメア長の個体/細胞株特異性、全体長および染色体別の特異性等の保持の有無、染色体特異的脆弱性の有無等に関して、preliminary data を得ることが出来た。3)引き続き、テロメア長の定量解析には正確なコントロールを確立するために、シークエンスの明確であるテロメア配列を導入したプラスミッドを用いたQ-FISH法によりテロメア長定量解析を行う。
3: やや遅れている
1)最優先事項として、論文作成に傾注する必要があり、予定していた実験に遅れが出た。2)当初予定していた本研究所内の協力研究者によるiPS細胞株樹立を断念し、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)で樹立されたiPS細胞株をJCRB細胞バンクから入手し、親株とのテロメア長の差異につき解析をすることに実験方針を変更した。細胞バンクから入手した、TIG線維芽細胞由来iPS細胞株と親株間のテロメア長差異解析を始めた。3)研究チームの組織改編により共同/協力研究者の研究環境(勤務形態変更)が変わったことにより実験実施効率の悪化があった。現在、状況は改善されつつある。
計画書に書かれた予定に従い推進する。1)進行中の論文作成、共同研究者の論文作成援助。2)項を発展させ、テロメア長短とリプログラミング効率の関連、テロメア長の個体(細胞株)特異性(全体長、染色体別の特異性等)の保持の有無、染色体特異的脆弱性の有無等を解析する。3)より正確にテロメア長を校正(Calibrate)出来る実験系を確立する。
1)論文作成、共同研究者論文の添削を含め、デスクワークに傾注したため、本年度予定していた実験の実施に遅れが生じた。2)iPS細胞株を当研究所内で樹立することを断念し、他所から入手するという方針転換を行い、十分に解析が進まなかった。3)組織改編のため、およびこれまでの共同研究者が退職し非常勤職員となったため、実験実施に若干の遅延が生じた。
1)京都大学で樹立されたiPS細胞株を、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の細胞バンクから入手し親株との間でテロメア長の差異について解析を始めた。今年度も引き続き、これらを用い私達の仮説を解明するよう解析を行う。2)組織改編のため、およびこれまでの共同研究者が非常勤職員となったため、新たに人件費を出費する必要となった。本研究費からからも執行する予定である。
すべて 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)
Age
巻: 38 ページ: 61-68
10.1007/s11357-016-9923-0
http://www.ttaggg-rtgp.org/g.
http://www.tmig.or.jp/