本研究ではp14ペプチドをベースとし増殖抑制を最大限に引き出すペプチドの改良を行い、これまでのがん増殖抑制効果を上回る配列を見出した。この改良型p14ペプチド(p14MIS)は効率的にミトコンドリア移行・局在を示し、効率的にミトコンドリア膜電位の低下を誘導する。また、系統の異なる各種がん細胞株に対する改良型p14ペプチドの増殖抑制効果は細胞の種類によって異なることが判明し、各種がん細胞におけるミトコンドリアp14ARF発現、ATPAF1発現とミトコンドリア膜電位に依存することが示唆された。以上の結果は、抗腫瘍性機能分子としての改良型p14ペプチドを用いた新たな治療学的基盤戦略の可能性を与える。
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