体内のリン、カルシウムの代謝異常、特に高リン、高カルシウム状態は血管の石灰化と密接に関連している。本研究では高リン高カルシウム血症が血管石灰化を起こす分子機構について、特に酸化ストレスを介する血管石灰化機構との関連性について焦点を当てて研究を行った。培養平滑筋細胞を高リン培養液で7日間培養すると細胞内外に石灰化物質の沈着を起こすが、それと同時に細胞内酸化ストレス系シグナルであるKeap1/Nrf2が変動し、血管平滑筋細胞の石灰化に酸化ストレスが関係していることを見つけた。また細胞内に沈着した石灰化物質を除外するためのオートファジーと酸化ストレスシグナルとの関連性についても検索した。
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