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2015 年度 実施状況報告書

新しいIL-6/IL-12ファミリーサイトカインの同定とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K08433
研究機関東京医科大学

研究代表者

徐 明利  東京医科大学, 医学部, 客員講師 (80597964)

研究分担者 善本 隆之  東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードEBI3 / p19
研究実績の概要

平成27年度は、EBI3とp19の結合について検討を行った。まず、ヒトHEK293T細胞にマウスEBI3とFLAGタグ付きのp19を強制発現させた後、その細胞溶解液を調製し、抗FLAG抗体で免疫沈降後、ウエスタンブロット解析よりp19と共にEBI3が共沈してくることが示された。この時、同時に内在性のカルネキシンも共沈してくることがわかり、細胞外へのEBI3とp19の分泌量は低くかった。カルネキシンは小胞体に局在する蛋白質であるため、カルネキシンとの結合が細胞外へ効率よく分泌されない原因の1つと考えられた。そこで、次にsiRNAを用いて内在性カルネキシン発現をノックダウンしたHEK293T細胞を用いて同様に細胞上清へのこれらの分子の分泌を調べたが、ノックダウンしていない細胞と殆ど変わらなかった。この原因が、ノックダウンの程度が低いことが原因である可能性と、カルネキシンと同様な分子シャペロンであるカルレティキュリンへの結合の可能性も考えられた。そこで、次に、EBI3のカルレティキュリンへの結合を、同様にHEK293T細胞へ遺伝子導入後免疫沈降反応とウエスタンブロット解析により検討したところ、EBI3は内在性カルレティキュリンにも結合することがわかった。そこで、現在、このカルレティキュリンの発現を完全に無くすためCRIPSR Cas9を用いたゲノム編集により発現を欠失した細胞を調製中である。さらに、生理的条件下でのEBI3とp19の会合を調べるため、LSPで刺激した骨髄由来未樹状細胞の細胞溶解液を用いて、両者が共沈してくるかについて調べたところ、共沈が見られることがわかった。現在さらに、その培養上清中での会合も検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

おおむね予定通りに進んでいると思われる。EBI3とp19の会合は見られることがわかったが、今後の活性のある組換え精製蛋白質の作製がチャレンジングである。

今後の研究の推進方策

(1) 組換え精製EBI3/p19蛋白の作製と機能解析
① カルネキシンを含むFLAGタグ付きの1本鎖マウスEBI3/p19を、または、カルネキシンは共発現させるだけで良いかも知れないが、上記の検討で得た最良の条件で発現させ、同様に機能的な分子が培養上清中に分泌されるか検討する。分泌が確認できれば、次にスケールアップして調製した培養上清から抗FLAG抗体カラムで精製蛋白を作製する。② 作製した精製EBI3/p19蛋白が機能的であるかを、ナイーブCD4+T細胞を種々のTh分化条件下で抗CD3/抗CD28で刺激し、それぞれのTh細胞への分化誘導能力を調べる系に加えて明らかにする。Tgマウスやin vivo投与の結果よりTh17細胞分化促進に作用する結果が得られているので、特にIL-23との作用の違いを比較検討する。
(2) EBI3/p19のレセプターとシグナル伝達機構の解明
① 機能的精製EBI3/p19蛋白を用いて、次に、そのレセプターやシグナル伝達系を明らかにする。まず内在性のgp130を発現しているHEK293T細胞にIL-23Rと(GAS)3-Luciferase reporterをIL-12Rβ1の有無で強制発現させ、EBI3/p19または比較のためIL-23で刺激し、ルシフェラーゼ活性を測定し刺激が入るようになるか調べる。刺激が入れば、次に、刺激後経時的に細胞溶解液を調製しSTAT3とSTAT4のリン酸化を調べる。② 野生型とlck-Cre/STAT3flox/flox、STAT4欠損マウス由来のCD4+T細胞をTh17分化条件下で活性化後、EBI3/p19またはIL-23で刺激し、細胞増殖やサイトカイン産生へのSTAT3とSTAT4の関与を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

最終的に使用金額をぴったり合わすのが難しいため。

次年度使用額の使用計画

主に、消耗品代に使用する予定であある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Therapeutic potential of interleukin-27 against cancers in preclinical mouse models.2015

    • 著者名/発表者名
      Mizoguchi, I., Chiba, Y., Furusawa, J., Xu, M., Tsunoda, R., Higuchi, K., and Yoshimoto, T.
    • 雑誌名

      Oncoimmunology

      巻: 4(10) ページ: e1042200

    • DOI

      10.1080/2162402X.2015.1042200

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Potential clinical application of interleukin-27 as an antitumor agent.2015

    • 著者名/発表者名
      Yoshimoto, T., Chiba, Y., Furusawa, J., Xu, M., Tsunoda, R., Higuchi, K., and Mizoguchi, I.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 106 (9) ページ: 1103-1110

    • DOI

      10.1111/cas.12731

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 化学物質の呼吸器感作性in vitro評価法の開発2015

    • 著者名/発表者名
      善本隆之、千葉佑規乃、角田廉、徐明利、溝口出
    • 学会等名
      第28回日本動物実験代替法学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2015-12-10 – 2015-12-12
    • 招待講演
  • [学会発表] Binding of Epstein-Barr virus-induced gene 3 to calnexin enhances its chaperone activity and augments interleukin-23 receptor expression, leading to development of colitis.2015

    • 著者名/発表者名
      Mizoguchi, I., Chiba, Y., Xu, M., and Yoshimoto, T.
    • 学会等名
      第44回日本免疫学会総会・学術集会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2015-11-18 – 2015-11-20
  • [学会発表] 化学物質の呼吸器感作性in vitro評価法の開発2015

    • 著者名/発表者名
      溝口出、千葉佑規乃、角田廉、徐明利、善本隆之
    • 学会等名
      第3期LRI研究報告会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-08-28

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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