AAアミロイドーシス発症には血清アミロイドA(SAA)の血中濃度上昇のほか、SAAと他の生体成分との相互作用が寄与する。しかしながら、これら相互作用と疾患の発症とを直接結びつける分子基盤は不明であった。本研究では、グリコサミノグリカンや高密度リポタンパク質(HDL)の構成脂質が同症の発症に与える影響を明らかにすることを目的とした。その結果、ヘパラン硫酸の高硫酸化ドメインやHDL中のホスファチジン酸濃度が影響を与えることを明らかにした。今後も引き続き、SAAが形成する凝集体の細胞毒性などについて評価することで、AAアミロイドーシスの発症機構を分子レベルで解明することを目指す。
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