研究課題
以前、変異原性物質であるDMBA(dimethylbenz(a)anthracene)と炎症剤であるTPA(tetradecanoyl-phorbol-acetone)を用いて誘導した良性腫瘍パピローマ、皮膚扁平上皮がん、コントロールとして正常皮膚からクロマチンを分離し、anti-Meis1抗体を用いて免疫沈降を行い、沈殿したクロマチンからDNAを抽出してsequencingを行うというChIP sequencingを行った。その結果、、悪性腫瘍において48のMeis1結合ピークが検出された。次に、これらのピークがシス領域に存在すると考えられる遺伝子を抽出したところ10個の遺伝子が検出された。このうち、4つの遺伝子(Dedd2、Sh2b1、Cep120、Stk25)の発現がMeis1ノックダウン細胞からRNAを抽出してqRT-PCRを行い発現を確認したところ、Meis1の発現と連動することを確認した。これらのうち、Stk25(Serine/threonin protein kinase25)は耐糖能を低下させ、インスリン感受性を減弱させることが知られており、糖代謝における役割が知られている。そこで、この遺伝子の機能解析から行った。Stk25のノックダウン細胞株を皮膚扁平上皮がん細胞のB9を用いて作製した。するとこの細胞株はMeis1ノックダウン細胞株と同様に細胞遊走に異常を来すことが判明した。さらにプロモーター領域をクローニングしてルシフェラーゼアッセイを行った。Meis1の全長cDNA配列とStk25のプロモーター領域を連結させたルシフェラーゼコンストラクトを同時にB9細胞にトランスフェクションしたところ、強いルシフェラーゼ活性が検出され、Stk25がMeis1の下流で機能することが確認された。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
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