研究課題
基盤研究(C)
当初の目的であった、1)CD8T細胞による感染赤芽球の認識、2)マラリア原虫が赤芽球内での発育、3)CD8T細胞による感染赤芽球に対する防御メカニズムを明らかにすることができた。すなわち、CD8T細胞は感染赤芽球を認識し、FasLを介した細胞傷害活性を発揮し、感染赤芽球にフォスファチジルセリンを表出させマクロファージに貪食させやすくすることで、感染赤芽球を排除し感染抵抗性に貢献していることが明らかとなった。
寄生虫学、免疫学
これまでよく分からなかったCD8T細胞の赤血球ステージのマラリアに対する防御機構の詳細を明らかにすることで、新たなワクチン戦略を提唱できる。これまでは抗体を誘導することを目的とし、細胞表面の分子を標的としたが、免疫による選択圧で多型を示すものが多く、ワクチン効果は限定的であった。一方、CD8T細胞は細胞内部の多型性の少ない抗原も認識できるので、抗原の多様性に制限を受けない幅広い効果を発揮するワクチンとなることが期待できる。