マラリア原虫が有する8種のTCA回路関連酵素のうち、マラリア原虫に特異的に保存されているリンゴ酸:キノン酸化還元酵素 (MQO) はプリンヌクレオチド生合成系とTCA回路との代謝ネットワークの鍵分子であると考えられている。しかし、TCA回路が機能していないと考えられている赤内期のマラリア原虫において、この代謝ネットワークが機能しているかどうかは明らかにされていない。本研究により、世界に先駆けてMQOを欠損させたマウスマラリア原虫の作出に成功し、MQOがマウスマラリア原虫の病原性に関わることを見出した。これらの知見から、MQOは抗マラリア薬の新たな創薬標的になると期待される。
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