研究実績の概要 |
本研究の目的は、無性生殖期マラリア原虫の宿主細胞侵入の機構と考えられてきた内膜複合体(Inner Membrane Complex: IMC)の関連分子が、原虫の有性生殖期生殖母体にも発現して、虫体周縁に格子状に局在するとの報告を踏まえて、申請者がIMCとは独立に見出した生殖母体の格子状分子、さらに、マラリア原虫IMC関連分子とされるものの生殖母体では未報告(未解析)の分子も併せて解析の起点とし、原虫生殖母体細胞の骨格形成やその変化に関与する分子群を同定することである。 以下のA,B,Cの解析を計画した。 A. 「格子状に局在」する複数の分子と相互作用する分子(群)は何か? B. 生殖母体では未報告(未解析)のIMC関連タンパク質は、実際に生殖母体細胞で発現するか? Yesならば、局在や相互作用分子(群)は? C. A./B.の分子やそれらの相互作用分子(群)を欠くと、表現形質や相互作用分子(群)はどう変化するか? 平成29年度は、とくに B.に関する分子について、組換えタンパク質合成用コンストラクトの調製(前年度の未完了部分)を進めた。さらにA./B.の次のステップとして計画した各分子の動物抗血清の調製を進め(効率化のために外部委託)、当年度末から次H30年度初めにかけて入手した。また、A./B.の双方について、原虫内で標識化された遺伝子を発現させるためのプラスミドコンストクトの調製を進めた。あわせて、A./B.双方の分子について、解析C.のための、変異原虫作製用のプラスミドコンストラクト調製を進めた。
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