研究課題/領域番号 |
15K08474
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
相根 義昌 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (00624660)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 細胞内輸送 / ボツリヌス毒素 / アクチンフィラメント / 抗体 / 非毒非血球凝集素 / ミオシン |
研究実績の概要 |
本年度は、ボツリヌスD型非毒非血球凝集素(NTNHA)を特異的に検出するペプチド抗体を作製した。すなわち、D型NTNHAの部分アミノ酸配列を有するペプチドを作製、これを用いてウサギに対して免疫し、その抗血清を得た。得られたペプチド抗体をウエスタンブロッティングに供したところ、NTNHAタンパク質を特異的に検出することに成功した。 一方、ラット小腸上皮株化細胞IEC-6に対し、NTNHAを添加し、一定時間経過させた後、NTNHA抗体を用いて蛍光免疫染色法により、NTNHAを検出したところ、細胞内に侵入したNTNHAを検出することにも成功した。昨年度の研究成果と同様、細胞内に侵入したNTNHAは、アクチンフィラメントと共存していることが検出され、NTNHAが、アクチンフィラメントに沿って細胞内を輸送されている可能性が示された。さらに、アクチンフィラメント上の輸送に関わると考えられるミオシン分子の抗体を用いて、「アクチン-ミオシン-NTNHA」の細胞内局在を調べたところ、3者が共存していることが検出され、NTNHAの細胞内輸送には「アクチン-ミオシン」系が関与していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的であるNTNHAの細胞内輸送に係る細胞内システムが明らかとなったことにより、細胞内侵入ー細胞内輸送の経路の解明が進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
Rabタンパク質抗体を用い、NTNHAの細胞内輸送に係る小胞を特定するとともに、細胞内侵入の上流である細胞内侵入経路についての推測を行い、その特定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用する予定であった消耗品の価格低下のため、支出が減少した。
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次年度使用額の使用計画 |
細胞培養に係る消耗品の購入に当て、研究に使用する予定である。
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