研究課題
基盤研究(C)
ボツリヌス神経毒素(BoNT)は、筋肉の麻痺を引き起こす。しかし、ボツリヌス食中毒においては、胃腸障害や血管病変を引き起こすことがあり、その原因は不明である。一方、BoNTは、無毒タンパク質を会合し、毒素複合体を形成する。本研究では、無毒タンパク質の複合体がラット小腸上皮細胞に対し、細胞質内の空胞形成を伴う、細胞毒性を示すことを初めて明らかにした。本研究では、さらに、ボツリヌス毒素の無毒タンパク質複合体が、他の空胞化毒素とは異なるメカニズムで細胞内の空胞を形成することを明らかにした。本研究の成果は、まだ不明な点が多いボツリヌス中毒発症メカニズムの解明につながることが期待される。
タンパク質化学