本研究において、全てのHCV蛋白質を発現するヒト不死化肝PH5CH8細胞やHCV感染ヒト肝がんRSc細胞において、NKG2DリガンドであるULBP1の細胞表面発現が有為に亢進していることを明らかにした。NK細胞株NK-92細胞とHCV感染RSc細胞の共培養は細胞障害活性とインターフェロン(IFN)-γの産生を誘導し、HCV複製を抑制した。NK-92細胞はHCV感染RSc細胞から放出されたウイルス由来dsRNAの刺激により、IFN-γを産生誘導しているものと考えられる。これらの結果から、ULBP1はHCV感染肝細胞において、NK細胞が誘導する自然免疫応答の標的分子であることが示唆された。
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