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2016 年度 実施状況報告書

プライマー切り出し反応をターゲットとした抗インフルエンザ薬の探索

研究課題

研究課題/領域番号 15K08502
研究機関北里大学

研究代表者

柴垣 芳夫  北里大学, 薬学部, 講師 (90235565)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード抗インフルエンザ薬 / 微生物代謝物スクリーニング / cap-snatching
研究実績の概要

1.新規創薬候補化合物の探索 平成28年度も、天然物ライブラリーのスクリーニングを継続して行った。昨年度から新たに約300種類についてスクリーニングを行い5種類の候補サンプルを見つけた。さらにスクリーニングを継続中である。今回見つかった候補サンプルについては、再培養を行い、阻害活性が再現できるかどうかを確かめている。再培養によって阻害活性がみつかれば構造決定、ならびにインフルエンザの増殖阻害活性についても調べる。
2. 候補化合物の構造決定と作用機作の解析 これまでに強い阻害活性を示した2種類のサンプル、BF60、BF85について、大量培養を行い、精製方法の検討を行った。BF60については、活性は非常に高かったが、イオン交換クロマトグラフィーは行えるのであるが、疎水クロマトが使えないために高度な精製が困難であった。ウイルスの増殖阻害がみられるものの、細胞毒性も強く芳しい結果が得られなかったため、BF85 の精製を優先させることとした。BF85は、疎水クロマト担体への結合がみられたため、現在、精製条件の検討を進めている。予備実験段階ではあるがいくつか特異的な化合物のピークが得られている。今後は、Cap-snatching 反応を阻害することを確認すると同時に、転写伸長反応に対する影響も調べる。また、MDCK 細胞を用いたウイルス増殖阻害活性を測定し、阻害物質の細胞に対する毒性についても評価を行ってゆきたい。
これまでのところ、おおむね実施計画に沿って研究が進行している。今年度最終年度であるため、さらに研究を推し進める所存である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の概要にも記載したが、1.新規創薬候補化合物の探索については、昨年度から新たに約300種類についてスクリーニングを行い5種類の候補サンプルを見つけた。さらにスクリーニングを継続中である。2. 候補化合物の構造決定と作用機作の解析については、複数ある候補化合物のうち、BF60については、高度な精製が困難であったこと、細胞毒性が高いことなどから一旦精製を中止し、BF85 の精製を優先させることとした。BF85は、疎水クロマト担体への結合いくつか特異的な化合物のピークが得られている。
これまでのところ、おおむね実施計画に沿って研究が進行している。今年度最終年度であるため、さらに研究を推し進める所存である。

今後の研究の推進方策

1.新規創薬候補化合物の探索については、本年度もさらにスクリーニングを継続し、さらに有望な候補化合物の探索を行ってゆく。サンプルの供給に関しては、研究協力者として参画している、北里大学薬学部、微生物薬品製造学教室の供田教授の協力により順調に行われている。
2. 候補化合物の構造決定と作用機作の解析については、BF85はの精製を急ぐと同時に、以前に精製が完了しているサンプルについて、再度、生物活性について再評価を行い阻害活性を確認したい。このサンプルは既に構造が決まっていることから、化学置換体の合成についても可能性を探ってゆきたい。
今年度最終年度であるため、考えられる可能性をよく精査し、さらに研究を推し進める所存である。

次年度使用額が生じた理由

年度のかわる3月4月における消耗品の調達のために28年度の発注について少し控えたために、2万円前後の金額が残った。

次年度使用額の使用計画

4月に入って既に、放射性同位元素の発注を行っており、5月の末までには、前年度の予算は使用できると考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Mechanistic insights into ectodomain shedding: susceptibility of CADM1 adhesion molecule is determined by alternative splicing and O-glycosylation2017

    • 著者名/発表者名
      Kyoko Shirakabe, Takuya Omura, Yoshio Shibagaki, Emiko Mihara, Keiichi Homma, Yukinari Kato, Akihiko Yoshimura, Yoshinori Murakami, Junichi Takagi, Seisuke Hattori & Yoshihiro Ogawa
    • 雑誌名

      Scientific reports

      巻: 7 ページ: 46174

    • DOI

      10.1038/srep46174

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Src Family Tyrosine Kinase Signaling Regulates FilGAP through Association with RBM102016

    • 著者名/発表者名
      Hazuki Yamada, Koji Tsutsumi, Yuki Nakazawa, Yoshio Shibagaki, Seisuke Hattori, Yasutaka Ohta
    • 雑誌名

      PloS one

      巻: 11 ページ: e0146593

    • DOI

      https://doi.org/10.1371/journal.pone.0146593

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] CCT2 Mutations Evoke Leber Congenital Amaurosis due to Chaperone Complex Instability2016

    • 著者名/発表者名
      Yuriko Minegishi,1,* XunLun Sheng,2,* Kazutoshi Yoshitake,3 Yuri Sergeev,4 Daisuke Iejima,1 Yoshio Shibagaki,5 Norikazu Monma,3 Kazuho Ikeo,3 Masaaki Furuno,6 Wenjun Zhuang,2 Yani Liu,2 Weining Rong,2 Seisuke Hattori,5 and Takeshi Iwataa,1
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 6 ページ: 33742.

    • DOI

      10.1038/srep33742

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Mammalian target of rapamycin (mTOR) complex 2 regulates filamin A-dependent focal adhesion dynamics and cell migration2016

    • 著者名/発表者名
      Junko Ishii, Yuki Ota, Eri Sasaki, Yoshio Shibagaki, Seisuke Hattori
    • 雑誌名

      Genes to Cell

      巻: 21 ページ: 579-593

    • DOI

      10.1111/gtc.12366

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Cap-snatching をターゲットとした抗インフルエンザ薬スクリーニング2016

    • 著者名/発表者名
      柴垣芳夫
    • 学会等名
      第39日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2016-11-30

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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