HTLV-1感染ヒト化マウスの個体レベルでの感染過程において、感染4週以内ではTax高発現の感染クローンが優先的に増殖するものの、感染4週以降、抗Tax CTLの発現誘導に伴い、Tax高発現クローンの減少が観察された。一方、感染8週以降の後期課程では、脾臓で発現が見られる宿主遺伝子のイントロン内に、転写方向と逆方向にプロウイルスが挿入されたことに起因すると考えられるHBZ優位に発現する感染クローンが選択的に増殖していた。これらの結果は、感染後期におけるTax発現クローンの排除とHBZ発現細胞の選択が、緩徐な腫瘍増殖およびキャリア状態成立の主要な要因となっていることを示唆している。
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