風疹ウイルスはヒト由来胎盤由来培養細胞株などには比較的よく感染が成立するが、その他のヒト由来細胞への感染効率は非常に低い。多くの付着系細胞ではウイルス侵入は成立するがそれ以降で制限されていること、多くの免疫系細胞はウイルスが侵入できないことが示唆された。風疹ウイルスの細胞表面への吸着因子として細胞のスフィンゴミエリン(SM)とコレステロール(Chol)を同定した。風疹ウイルスのE1タンパク質に存在する融合ループがCaイオン依存的にSM/Cholに富む膜に吸着し、さらに膜融合を誘導することが示唆された。さらに本吸着とは別にタンパク質性の宿主因子への吸着も存在することが示唆された。
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