手足口病の病原体のひとつであるエンテロウイルス71型(EV71)は、稀に髄膜炎・脳炎・脳症を起こす。しかし、治療法は確立されていない。治療法開発への基礎研究として、EV71感染を阻害する化合物であるNF449に着目し、NF449がどのようにして感染を阻害しているのかを分子レバルで解明した。NF449はEV71ウイルス粒子の表面と相互作用し、ウイルスと細胞表面受容体との結合を阻害することによって感染性を低下させることを明らかにした。今後、NF449の分子構造を改変することにより、より強力な感染阻害薬を開発可能と期待される。
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