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2016 年度 実施状況報告書

神経免疫炎症における異物除去蛋白質AIMの役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15K08525
研究機関九州大学

研究代表者

坂田 大治  九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (70456870)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードDOCKファミリー分子 / DOCK8 / 痒み / アトピー / 病態モデル
研究実績の概要

IL-31はアトピー性皮膚炎における主要な痒み惹起物質の一つであり、主に、炎症部位に浸潤したCD4+ T細胞により産生されるが、その産生制御の機序は明らかではなかった。申請者の現在の所属研究室では DOCKファミリー分子の一つであるDOCK8欠損マウスをANDトランスジェニック(Tg)マウスと掛け合わせることで、このマウスがアトピー性皮膚炎様の病態を呈し、その血中には多量の IL-31が存在することを見出した(Yamamura et al., Nat. Commun., 2017)。さらに、このマウスの詳細な解析により、IL-31の産生が EpasIと呼ばれる転写因子により誘導され、DOCK8はEpasIを負に制御することを明らかとしている(Yamamura et al., Nat. Commun., 2017)。 IL-31による痒みは、皮膚などの末梢で産生された IL-31を脊髄後根節(DRG)神経が感知することで惹起されると考えられる。即ち、IL-31を感知したDRG神経細胞が何らかのメディエーターを放出することで、痒みの情報が脳に伝えられると考えられるが、その詳細なメカニズムは明らかではない。申請者はこのメカニズムの一端を明らかにすべく、アトピー性皮膚炎様病態を呈する AND Tg/DOCK8欠損マウスからDRGを単離し、マイクロアレイや Real-time PCRなどを使ったDRGでの遺伝子発現解析を行うことで、痒みシグナルを脳に伝達すると考えられる分子の同定を試みようとしている。メカニズムを明らかにしようとしている。現在、これらの解析により、痒みに関与すると考えれる幾つかの候補遺伝子を見出しているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請者は当該年度より所属機関を移ったため、研究テーマに変更が生じ、研究プランや実験系を新たに構築する必要があったが、所属研究室のサポートなどもあり、新テーマの立ち上げ及びテーマの遂行に必要な新たな実験系の立ち上げに成功しており、幾つかの興味深い結果も得られつつあるため。

今後の研究の推進方策

現在、アトピー性皮膚炎様の病態を呈するANDTg/DOCK8欠損マウス由来DRGでの遺伝子発現解析を行っているが、今後、痒みに関連すると考えられるターゲットを絞り込み、有力と思われるものについては遺伝子欠損マウスを作成し、遺伝子欠損マウスを用いた解析を行うことで、新たな痒み伝達物質の同定に結びつけたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] DOCK8 Protein Regulates Macrophage Migration through Cdc42 Protein Activation and LRAP35a Protein Interaction.2017

    • 著者名/発表者名
      Shiraishi A, Uruno T, Sanematsu F, Ushijima M, Sakata D, Hara T, Fukui Y
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 292(6) ページ: 2191-2202

    • DOI

      10.1074/jbc.M116.736306

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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