研究課題
現代病とも言えるメタボリックシンドロームに関連する疾患において、疾患局所に浸潤し組織固有の機能を持ったマクロファージに分化する能力を有する単球が注目されている。申請者はこれまでに抑制性の細胞表面分子であるPILRαが好中球の動態を負に制御していることを明らかにしてきた。マウスにおける単球はLy6cの発現によって、大きく二つのサブセットに分類される。申請者はPILRαが単球の両サブセットに発現しており、とりわけLy6cネガティブの単球に高発現していることを見出した。このことより、好中球と同様にPILRαが単球の組織への浸潤を制御している可能性が考えられので、単球の組織への浸潤におけるPILRαの役割について検討した。その結果、細胞―細胞の接着に関与するインテグリンのシグナルを単球においてもPILRαが制御していることを明らかにした。さらに、PILRαがインテグリンのシグナルを制御することで、脂肪組織や肝臓への単球の浸潤を負に制御していることも明らかにした(Eur J Immunol, 2016)。この成果をもとにaged PILRα遺伝子欠損マウスの解析を進め、予想外にも加齢とともに強皮症様のフェノタイプも示し、強皮症においてもPILRα分子が関与している可能性を明らかにした(投稿準備中)。
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Proc Natl Acad Sci U S A.
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炎症と免疫
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http://immchem.biken.osaka-u.ac.jp