研究実績の概要 |
【目的】1)全国の地域枠の6年生の「地域枠」であることに対する気持ちや将来の希望,2)地域枠制度による入学者の医師不足地域に定着意思がの入学後の変化するかを明らかにする. 【方法】1)平成27年度の地域枠学生6年生(39大学)を対象に自記式アンケートを実施.質問項目は,基本属性(年齢・性別・出身地など),地域枠であることに関する考え・気持ち、 奨学金返還の可能性,将来について(医師不足地域での就労に関する不安、就労意思) 2)平成22年度の地域枠1年生・平成27年度同6年生の追跡調査に協力を得られた者を対象に,義務年限終了後に医師不足地域に就職する意思(以下,定着意思)について5段階で回答を得た.回答を1,2高め,3中間,4,5低めにカテゴリー化して,1年次と6年次の定着意思の変化を集計した. 【結果】1)有効回答346名(有効回答率72.1%),男性58%,出身地は離島・へき地2%,町村部29%.地域枠であることが励みになる:30% , ストレスに感じる:63%,卒業後に医師不足地域での就労に不安な点として(複数回答),専門医取得に不利:54%, 家庭生活との両立が困難:35%,不便な場所で生活:34%,診療科を自由に選べない:27%などであった.地域枠で借りている奨学金を返還する可能性は,とてもある:16%,少しある: 17%であった. 2)有効回答215名(追跡率39.7%).定着意思は,1年次では高め115名(53%),中間81名(38%),低め19名(9%).6年次では,高め41名(19%),中間121名(56%),低め53名(25%)だった.1年次で定着意思が高めだった115名のうち,6年次にも定着意思が高めで維持していたのは32名(28%).1年次に中間や低めで6年次に高めに変化したのはそれぞれ8名(10%),1名(5%)であった.
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