平成27年度に「GCPトレーニング教材」、「研修医向けGCP教材」を作成し、院内の研究者の教育に活用した。平成28年度は国立大学病院臨床研究推進会議加盟施設を対象に臨床研究を実施する研究者の教育の関するアンケートを実施した。その結果、介入研究、観察研究いずれもその実施にあたり、93%の国立大学病院が研究者の研修を義務づけているものの研修の内容や方法に大きなばらつきが見られた。また、外部の機関で教育・研修をうけた研究者が、自施設で義務付けている研修を受講していない場合には自施設の講習を再度受講する施設が52%であり、また、国立大学病院臨床研究推進会議などの機関が各施設の研究者教育に対し認証を与えることで教育の質の確保をすることに63%の施設が賛同した。研修体制が未整備な施設においては研修の充実を図ることは喫緊の課題と考えられた。 東京大学・大学病院臨床試験アライアンス(関東甲信越の国立大学8大学9施設の治験・臨床研究支援部門で構成されるネットワーク)では、研究者教育教材CREDITS(e-learning教材)を構築している。この教材は国立大学病院臨床研究推進会議で検討され、国立大学病院長会議で示された「介入試験を実施する研究責任者の学習目標・シラバス」に準拠したものであり、全国的に広く活用されることが望まれる。平成29年度は、CREDITSの倫理関連以外の項目をまとめたダイジェスト版(e-learning教材)を作成した。CREDITSのダイジェスト版 は現在信州大学の研究者が閲覧可能となり、院内の研究者教育に役立っている。さらに、研究者が手軽にいつでも参照できるようにCREDITSのダイジェスト版を印刷し、冊子「臨床研究、その進め方 -臨床研究に関する教育-」を作成した。院内のみならず、大宇病院臨床試験アライアンス加盟校にもこの冊子を配布した。
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