研究実績の概要 |
医療者教育学修士課程のあり方を検討するために、医療者教育のリーダーの人材像(アウトカム)、医療者教育学修士課程のカリキュラムの検討を行い、合わせてニーズ調査を実施した。世界に存在する128校の医療者教育修士課程を分析したところ、北米45校、ヨーロッパ42校をはじめ、アジアにも9校あるが、日本を含めた東アジアには1校も存在しないことが判明した。教育形態は、対面方式と遠隔・オンライン方式がほぼ半数ずつを占めているが、今後はオンライン方式が増加していくと考えられる。修士課程のミッションとしてはResearch, innovation, leader, scholar, transform, change agent, academic career, developer, practitioner, education psychology, specialist などが重要であることが明らかとなった。 全国ワークショップの参加者294名に対し「どのレベルの資格が必要か?」を問うたところ、1)フェローシップ、2)修士課程、3)博士課程の順に必要性が高いという回答であった。自由記載では、医療の改善につながる実践的な医療教育者の育成が必要、そのための教育の基本を知る必要性、勤務を続けながら学べる制度、安易な制度とならないこと、キャリアに活かせること、などが指摘された。また全国の卒前・卒後医学教育関係者・過去の医学教育セミナー参加者2508名に対するウェブアンケートに回答した471名では、約20%、約100名が修士課程への参加を希望していることが明らかとなり、医師だけでなく多職種にわたること、30歳代から40歳代の中堅医療者であること、全国各地からの参加が考えられることが明らかとなった。
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