研究課題/領域番号 |
15K08547
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
井上 真智子 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80609090)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医療の質 / プライマリ・ケア / 患者経験調査 / 質向上プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の前段階において、Johns Hopkins大学Primary Care Policy Centerのグループによって開発され、多くの研究において用いられてきたプライマリ・ケアの質評価尺度(Primary Care Assessment Tool: PCAT)をもとに、日本の背景を考慮した日本版のプライマリ・ケア質評価尺度(JPCAT)を開発した。そこで、まずこれを一般公開の上、プライマリ・ケアに携わる各診療所の医師が、自施設に通院する患者を対象に調査を実施し、自施設の評価を行うことが可能な状態とした。質評価および質向上(Quality improvement: QI)の方法について第11回日本プライマリ・ケア連合学会秋季セミナーにおいて、同学会医療の質・安全委員会の企画のもと実施されたワークショップにおいて紹介した。また、平成28年度は第7回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会においても質向上の実践に関するワークショップを同委員会企画として開催予定であり、その中でも本研究成果を取り上げる。 同時に、各施設において質向上に取り組むためのプログラム指針の整備を行うため、米国のPatient-centerd medical homeにおける質評価・向上に関する文献調査を実施し、Practice facilitationのメリット、デメリット、注意点に関して整理を行った。 なお、我々の実施したJPCATを用いた住民調査において、プライマリ・ケアの質が重要な予防医療行動の一つである乳癌検診受診と関連することや、プライマリ・ケアの主要な機能の一つである包括性が住民のヘルスリテラシーと関連することなども示唆されており、これらの情報をも勘案する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画と照らし合わせて、大きな乖離はない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、米国のプライマリ・ケア改革においてどのような方策がとられ、診療の現場においてどのような変化がみられたか、文献調査に加えて現地でのヒアリングをも行い、そこから得られた資料を本研究の参考とする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査にかかる経費が予定より少なくて済んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
パイロットプログラムの開発、実施、現地調査(サイトビジット)のために用いる予定である。
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