研究課題/領域番号 |
15K08551
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小比賀 美香子 岡山大学, 大学病院, 助教 (00610924)
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研究分担者 |
片岡 仁美 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (20420490)
三好 智子 岡山大学, 医療教育統合開発センター, 助教 (40444674)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 共感性 / 研修医 |
研究実績の概要 |
平成16年に、「病気は診るが、人は診ない」医師を養成すると評されていた従来の臨床研修制度に代わって、「医師としての人格の涵養」を基本理念に掲げた新医師臨床研修制度が開始された。2年以上の初期臨床研修が必修化されたが、どのような研修プログラムが、医師としての人格を涵養するのかという客観的評価は定まっていない。また、医師のプロフェッショナリズムにおいて、患者に対する医師の優れた「共感性(Empathy)」は、医師として育成すべき人格のひとつと考えられている。 これまで我々は、平成26年度岡山大学病院初期研修医20名を対象にした調査で、「共感性」スコアが研修開始後1年で低下したことを報告した。平成26年度岡山大学病院初期研修医20名に対する調査を継続したところ、研修開始後2年目は「共感性」スコアは大きく変化しなかった。平成27年度研修医41名の平均スコアは、研修開始時111点、1年後112 点、2年後110 点、平成28年度研修医36名の平均スコアは、研修開始時111点、1年後113点と、大きな変化を認めなかった。本邦の先行研究で、初期研修医の共感性が研修2年間で低下するとの報告があるが、本研究では、経時的調査で「共感性」スコアに大きな変化を認めない年度も認めた。 研修開始時に「共感性」スコアの高かった研修医1名に、研修開始後10か月で半構造化面接(個人面接)を実施し(平成27年度に実施)、SCAT(Steps for coding and theorization)を用いて内容分析を実施した結果を、平成28年度に発表したが、今後「共感性」スコアの推移をグループ化して(上昇・不変・低下)、インタビューを実施する予定であり、個別の事例について解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り「共感性」スコアを経時的に集計して、解析できている。初期研修医に対する、インタビュー実施とその解析については、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまでの研究結果を、第49回日本医学教育学会大会で発表し、ディスカッションをする予定である。あわせて、論文化も予定している。引き続き、「共感性」スコアを経時的に解析し、研修医へのインタビューも実施予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究打ち合わせの一部が未実施になるなど、予定より使用額が減少した。インタビュー、データ解析については、予定より低コストで実施可能であった。
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次年度使用額の使用計画 |
インタビューを多数予定しているため、文字おこしなど外注する予定である。また学会参加や、論文化などに使用予定である。
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