研究課題/領域番号 |
15K08553
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
河本 健 広島大学, 学術・社会産学連携室, 特任教授 (50224861)
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研究分担者 |
大武 博 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (20149925) [辞退]
鵜川 義弘 宮城教育大学, 環境教育実践研究センター, 教授 (20232803)
金子 周司 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60177516)
竹内 浩昭 静岡大学, 理学部, 教授 (90216854)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 論文英語 / 研究論文 / 国際発信 / 医学英語 |
研究実績の概要 |
PubMedよりアメリカまたはイギリスから主要ジャーナルに発表された生命科学関連英語論文アブストラクトの収集を1年分追加した。さらに、Proc Natl Acad Sci USAのコーパスの収集も進めている。論文のパート(序論・方法・結果・考察・謝辞)毎に分けるため、ほとんど手作業で進めており、かなりの時間が必要になっている。本年度は、既に収集済みの2004年~2008年のコーパスを用いて解析を行った。まずは、複数の場所で解析が行えるように、ライフサイエンス辞書プロジェクトのサーバー上に解析システムを構築した。このシステムを用いると、単語やフレーズの出現回数を調べることができる。それに加えて、ある単語の前後1語あるいは2語の出現回数、同じ文中でよく使われた単語を調べることもできる。また、検索は、それぞれのパートだけでなく、複数のパートをまとめて行うことができる。これを用いて、まずIntroductionでよく使われる(その他のパートではあまり使われない)単語やフレーズの抽出を行った。そこから、Introductionでよく使われる単語のランキングを作り、それに基づいて、それぞれの単語がIntroductionで使われる割合を算出した。さらに、よく使われるフレーズの抽出を行った。得られた結果の分類を行うために、Introductionに必要な要素を以下のように分類した:「研究対象の性質の提示」「研究対象の紹介文」「未解明の問題の提示」「動機」「今回の研究の紹介」。これらの表現を用い、さらに類似の表現を見つけるように心がければ、Introductionを執筆するための力を養うことができると考えられる。TED Scienceを利用した口語英語の収集も行い、口語(口演)では基本動詞がよく使われ、また、受動態の表現が非常に少ないことなどの特徴を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パート別のコーパスの収集には、予想以上の時間がかかっており、次年度はさらにスピードアップする必要がある。しかし、検索システムの構築が終わり、一部の解析を行うことが出来た。解析には、アイデアが必要であり、かなり順調に進んでいる。また、口語英語の解析もかなり進行した。
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今後の研究の推進方策 |
検索の精度を高めるために、さらに最新のコーパスの収集を進める。また、Proc Natl Acad Sci USAでは、また、対象とする学問の範囲が非常に広いので、大まかな分野の分類を行う。論文のパートごとの比較の精度を高めるために、収集過程でより厳密な選別を行う。 今後の推進方策としては、以下のようなことを行う。(1)Proc Natl Acad Sci USAから英語資料を収集して、序論・方法・結果・考察など論文の分野別コーパス構築)(2)収集したコーパスの計量分析を進める。構築したコーパスを用いて、以下のような分析を行う。論文における動詞の用法、論文における名詞の用法、論文における形容詞・副詞の用法、論文における前置詞の用法、Proc Natl Acad Sci USAコーパスを利用し、論文パート別英語実態解明、単語間の親和性(自然な共起表現)の調査、日本人英語の特性研究、単語間の親和性(自然な共起表現)の提示方法を検討。
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次年度使用額が生じた理由 |
システム管理等の物品の選定が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
遅れが生じている研究内容に関しては、繰り越した助成金も利用して、スピードアップを図る。
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