研究課題/領域番号 |
15K08557
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
阪本 雄一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (20366678)
|
研究分担者 |
藤井 進 佐賀大学, 医学部, 講師 (60535748)
山田 クリス孝介 佐賀大学, 医学部, 病院助教 (70510741)
本村 陽一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (30358171) [辞退]
櫻井 瑛一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (50612173) [辞退]
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 敗血症 / 合併症 / 糖尿病 / DPC / 医療経済学的分析 / 匿名加工情報 |
研究実績の概要 |
佐賀大学医学部附属病院の医療情報データベースを利用し、敗血症への治療に関する医療経済学的分析と評価を実施した。敗血症の患者で糖尿病を合併している者の入院日数と入院費への影響について検討した。有効症例(n = 2368)を糖尿病(DM)の合併の有無(DM無:n = 2140;DM有:n = 228)で分割した。両群の年齢に統計学的に有意な差は認められなかった(p = 0.904)。両群を比較したところ(DM有 vs DM無)、死亡数(15.0% [322/2140] vs 20.2% [46/228], p < 0.05)、入院日数(median: 25.0 days vs 12.0 days, p < 0.01)、入院費(median: 1,221,178 yen vs 520,355 yen, p < 0.01)に有意差が検出された。敗血症の患者では糖尿病を合併しているかどうかによって、死亡数と入院日数と入院費が異なる可能性を見出した。 また、医療情報の2次利用という観点から、人工知能を用いた匿名加工情報の作成について検討した。本研究に協力している産業技術総合研究所人工知能研究センター確率モデリング研究チームが開発したツールを用いて近似する個人を同定し、同定された複数の個人から実存しないデータを生成することが可能になった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大規模データを利用した敗血症の治療に関する分析と評価を部分的に実施した。しかし、DICの治療についての医療経済学的観点からの分析と評価や、厚労省の大規模データベースを利用した分析と評価については検討することができなかった。また、特定の個人を識別することができないように個人の医療データを加工して得られる匿名加工情報を生成することを可能にしたが、生データとの比較検討までは行えなかった。そのため、「やや遅れている」と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
大規模データを利用した敗血症性DICの治療に関する医療経済学的観点からの分析と評価を実施するとともに、厚労省の大規模データベースの利用について継続的に手続きを進める。厚労省の大規模データベースを利用できなかった場合には、少なくとも佐賀大学医学部附属病院のデータを利用した分析と評価を行う。また、匿名加工情報と生データとの比較検討を行い、匿名加工情報を用いた分析と評価の妥当性と信頼性を確認する。
|