本研究では、日本の医療現場において実効性のある「臨床倫理サポート」体制の確立のために必須と思われる課題を整理し、特に臨床倫理コンサルタントに期待される役割とその資質について、病院組織としての医療安全管理業務の観点からも明確にすることを目的とした。20名の医師等に半構成的インタビューを行った結果、安全管理関連部署との連絡体制を重要視している傾向が見られた。このことは、臨床倫理チームへの依頼内容の中には、安全管理の問題を含むケースが存在していることや、ケースによっては倫理的判断のプロセスが不十分だと、安全管理上のインシデントとなりうるリスクを孕んでいることに起因していると考えられた。
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