研究課題/領域番号 |
15K08563
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
中江 秀幸 東北福祉大学, 健康科学部, 准教授 (70550169)
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研究分担者 |
原田 光子 亀田医療大学, 看護学部, 教授 (90259193) [辞退]
相馬 正之 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (40554994)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 在宅支援 / 運動療法 / QOL |
研究実績の概要 |
パーキンソン病(PD)は薬物療法の進歩によって余命を全うできるようになったが、長期間の在宅療養を強いられるために地域支援が重要となっている。そこで、在宅生活におけるリハビリテーション現状把握、身体機能や生活の質(QOL)に対する効果的な支援活動を検討することを目的とした。 PD患者会会員に運動療法の実施状況の調査を、介護保険居宅サービス事業所に利用状況の調査を行った。その結果、PD患者の72.4%が介護保険サービスを利用、自主練習の習慣も78.2%みられ、自主練習の習慣化がQOLに影響することも明らかとなった。但し、利用中のサービスで個別指導の時間が短い、測定結果の説明不足との不満がみられた。事業所へのアンケートでは、78.2%でPD患者が利用していた。事業所の運動療法担当職種は、理学・作業療法士よりも介護職と看護職が61.3%を占めていた。利用目的が歩行やバランス障害といったPDの症状に対する運動療法を希望している場合は不満があることが示唆された。 以上および、これまでの研究成果から、QOL維持のための自主練習継続、活動性の維持や転倒予防のための下肢筋力およびバランス能力の維持、そして現状における不満を踏まえた講演会(内容:ストレッチング、バランス運動、認知課題と同時に動作を行う二重課題)と、運動療法の実践指導、身体機能の測定を同日に行う支援活動を展開、開催時間帯や内容を修正しながら実施した。 3か月後の再実施にて経時的変化を検証した結果、自主練習が継続され、QOL、転倒回数、歩行速度は変化なく経過していた。下肢筋力は向上し、立位バランスと二重課題の指標である重心動揺検査では、重心位置の正常化、総軌跡長の減少といった立位バランスの改善が得られた。しかし、認知課題に対する介入を行わなかったため、認知課題下の随意的重心移動能力の指標は変化がみられなかった点が今後の課題である。
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