研究課題
本研究の目的は,医学研究者に対する生物統計学および臨床研究デザインの教育プログラムを開発し,最良の提供方法を検討することである.臨床研究の経験が豊富な生物統計家と臨床医が,臨床研究者に必要な知識や技能について議論を重ね,パイロット教育プログラムを作成し,実際の研究者への教育に適用し内容をブラッシュアップした.本研究では,主に2つの情報を活用した.1つ目は,研究代表者が医学部において医学研究者に対して継続した統計相談・共同研究の分析結果(本研究期間終了までの累計相談数:1000件超)であり,2つ目は人脈をもつ海外研究教育機関(主にロンドン大学Medical Research Council (MRC) Clinical Trial Unitおよびミネソタ大学生物統計領域)の専門家から収集した最新情報である.それらの情報を精査し,次の4点,(1)講義と実習の比率は1:1とし双方向の形とする,(2)講義でのメッセージを単純化する,(3)統計ソフトを用いた実践的な解析実習を含める,(4)講義で扱う項目を絞る,ことを基本理念とする教育プログラムを開発した.講義で扱う主な内容は,ランダム化,検定と推定,サンプルサイズの設定,オッズ比と相対リスク,回帰分析モデル(生存時間モデルを含む),欠測データの扱いとした.本研究では,実際に16回のセミナーに本教育プログラムを適用し,複数の臨床学会での教育セッションや学会発表を行い,内容をブラッシュアップした.学会では作成した教育のためのハンドブックを配布した.更に,研究2年目には,ミネソタ大学生物統計領域の元主任教授を本邦に招聘し,科研費国際シンポジウムを開催し,同時に国内の統計関連学会でも特別講演を実施し,両会において多数の参加者に対して本研究に関連する成果を情報発信した.以上の研究成果は,本邦の臨床研究の質向上に寄与するものであると考えられる.
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 14件、 オープンアクセス 14件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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