| 研究課題/領域番号 |
15K08570
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| 研究機関 | 日本医科大学 |
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研究代表者 |
藤倉 輝道 日本医科大学, 医学部, 教授 (00238552)
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| 研究分担者 |
井上 千鹿子 日本医科大学, 医学部, 助教 (90453042)
早坂 明哲 日本医科大学, 医学部, 助教 (50516094)
樫村 正美 日本医科大学, 医学部, 講師 (00550550)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 模擬患者 / 質的研究 / 市民参加 / 医学教育 |
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| 研究実績の概要 |
「医学教育に患者や市民の参画を得る」特に、市民・公衆の視点を医学教育に取り入れることについてはすでに海外でも取り組みがなされ、関心事の一つであることが国際学会の参加を含む先行研究の探索で明らかになった。本研究で新たに「次世代模擬患者養成プログラム」を作成する上で、どのような模擬患者（SP）側のニーズがあるのか探索するため、ベテランSPを対象にフォーカスグループインタビューを行った。また医学部3年生を対象とした医療コミュニケーションに関する授業に実際にゲストとして参加してもらい、今後、実際に次世代SPとして授業（講義）を担当する上での準備の場として提供した。
フォーカスグループインタビューでは「今の学生をどのように捉えているか」「何が不足しているか」「教員に何をもっと教育して欲しいか」「SPとしてこの研究参加を機会に何を学びたいか」といった項目に関し半構造化面接を行った。この結果からはまだ今までのSPとしての活動参加に基づく見解が中心であり、市民あるいは公衆からの視点というものは明確には現れていない。医学教育がマニュアル化していないか、あるいは学生の医療コミュニケーション自体もマニュアル化しているのではないかという懸念が示され、客観的臨床能力試験、あるいは医療安全教育の影響が示唆された。また1年生を対象に行った授業に参加したSPの感想からは、学生が優秀ではあるがドライな印象を受けるとの評価があった。医療訴訟などの情報が潜在的に作用し、学生が安全策、保身、守りの医療に傾いている可能性がSPから指摘された点は、今後の本研究の方向性を定める上で有用な知見となったと考える。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
市民・公衆の視点を加えた医学教育が国内でどのように展開されているか、その全国調査は年度末の多忙な時期にさしかかり他大学の負担になることを避け次年度に行うこととした。しかしフォーカスグループインタビューは準備会を含め合計3回行い、また従来の授業参加の折にも本研究と関連させながら模擬患者（SP）の感想をデータとして収集することができた。まだ市民・公衆の視点の反映が乏しいが、次世代SP養成にどのような要素を組み込むか概ね方向性は示されたと考える。
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| 今後の研究の推進方策 |
昨年度も授業に際しては毎回10名～20名強の模擬患者（SP）の参加が得られている。この参加経験を踏まえたSP側のニーズはデータとして蓄積されつつある。これを踏まえ、プロトタイプとなる次世代SP養成プログラムを今年度中に提供できると考える。また先送りになっていた全国医学部の実態調査を行い結果はこれに反映させたい。またこの養成プログラムへの協力者となる介護や在宅医療、あるいは救急医療などに携わる医療職の人選も進んでいる。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定した解析ソフトの利便性が芳しくないと判断され、再検討になった。また全国医学部を対象としたアンケート調査が年度末に重なったため時期を遅らせ平成２８年度に行う予定である。これらに伴い次年度使用となった研究費が生じている。
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| 次年度使用額の使用計画 |
平成２８年度は、研究協力者への謝金への充当が研究費使用の中心になると予定している。前年度の繰越金で予定通り全国医学部を対象としたアンケート調査を行うとともに、解析ソフトに適当なものが無い場合には業者への外注などで解析を行い、その費用の充当にも繰越金を用いる予定である。
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