研究課題/領域番号 |
15K08575
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研究機関 | 大阪薬科大学 |
研究代表者 |
恩田 光子 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (60301842)
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研究分担者 |
岡田 浩 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (10533838)
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (40335443)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | セルフメディケーション / OTC / 薬剤師 / 登録販売者 |
研究実績の概要 |
本研究の全体構想は、薬局等での風邪症状患者への対応アルゴリズムおよびその開発媒体を用いた研修プログラムを開発し、それらの有効性について検討することである。そこで、平成27年度は、薬剤師、登録販売者を対象に調査を実施した。調剤を主とする薬局薬剤師を対象とした調査と、ドラッグストアに勤務する薬剤師及び登録販売者を対象にした調査を各1回実施した。主な調査項目は、回答者属性、風邪様症状で相談を受ける患者の人数や様相、相談対応の概要、受診勧奨の経験有無と具体的な事例、セルフメディケーションの推進に係る課題と具体的方策とした。薬局薬剤師300名(保険薬局:80.7%、ドラッグストア(調剤併設):19.3%、回答者の58%は管理薬剤師)を対象とした調査では、要指導医薬品・一般用医薬品販売の経験年数は平均10.8年、月間約20名の相談を受け、1名あたり約6分で対応し、87.7%が受診勧奨の経験を有していた。受診勧奨事例には、脳梗塞の初期症状、マイコプラズマ肺炎、誤嚥性肺炎、肺気腫、COPD、結核、気管支炎、副鼻腔炎、インフルエンザなどの症例が含まれていた。相談対応時、症状や服用中の薬を常に確認している割合は高かったが、既往歴やアレルギー等の体質、年齢などの確認割合は低かった。説明項目では、用法・用量を常に説明している割合は高い一方、副作用の初期症状、何か発生した場合の連絡先、使用上の注意、症状が改善しない場合の対処方法の説明割合は相対的に低い結果であった。セルフメディケーション推進のための課題として、薬剤師等の知識や対応能力の向上、国民への啓発、医薬品購入にかかる家計負担への軽減措置、相談対応の実践に役立つツール、研修プログラムが多く挙げられたことから、次年度以降のツール・研修プログラムの開発の意義・必要性を確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿って、すでにWeb調査を実施し、薬剤師:約350名、登録販売者:約50名から回答を得ており、鋭意解析を進めている。得られた知見は関連学会において発表すべく準備を進めている。また、平成28年度からパイロット運用を予定している風邪症状面談アルゴリズムを実装したツールの開発にも着手している。
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ、当初の予定通りに推移している。1年目に実施した調査について現在データ解析を進めており、薬局、ドラッグストア間において対応状況、セルフメディケーション推進に向けた課題に若干差がある傾向が見られる項目があるため、その原因や背景についても精査する予定である。 また、現在進めている面談アルゴリズム及びツールの開発については、内容がほぼ固まった段階で、研究倫理審査にかかる申請書類を作成し、承認取得に目指す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査実施日が若干遅れたため、経費の支払い執行時期が次年度にずれ込んだため、研究費を繰越した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に27年度に実施した調査経費の拠出、面談ツール開発にかかる経費の拠出を予定している。
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