研究課題
本研究の目的は、医学部の卒然教育における放射線健康リスク教育の必修化に向けて、大学の実態に合わせた教育システムをパッケージとして提案する点にある。初年度である平成27年度は、国立大学医学部長会議と協働して、大学医学部における放射線教育の教員数やコマ数、使用している教科書等の実態調査を実施するとともに、モデル校数校に関しては、具体的な教育内容に関する詳細調査を行った。平成28年度には、引き続き国立大学医学部長会議と協働して教育内容の精選と標準カリキュラムの作成を進め、医学教育モデルコアカリキュラム改訂に係る情報提供や放射線教育関係者との合意形成を行った。また生体と放射線に関する教科書(一般図書)の分担執筆を行った。さらに文部科学省の放射線災害に対応する医療人育成プログラムに採択された大学に対して「リスクコミュニケーション」の教育内容や手法について提案を行った。平成29年度には、平成28年度中に改訂された新コアカリキュラムに対応した教材作成を行った。特に教材不足が指摘されているリスクコミュニケーションに関しては、WHOの刊行物〝Communicating radiation risks in paediatric imaging”の翻訳版を作成し、WHOのHPサイト上で公開した。また前述の文部科学省プログラムおよび原子力規制委員会の原子力災害に対応する医療人育成プロジェクト(平成29年度~)に採択された大学に対し、リスクコミュニケーションのe-learning 教材を提供した。このように、研究代表者と分担者は3年間の社会情勢の変化に対応して、医学部生や全学を対象とした放射線健康リスク科学教育を実施し、対象に応じた効果的な教育の内容や手法に関する知見を得た。こうした実践的手法や放射線科学教育の必要性に関しては、学会等が開催する教育関係のシンポジウムやワークショップで発表した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 7件) 図書 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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