研究課題/領域番号 |
15K08586
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
角田 茂 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60597300)
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研究分担者 |
坂井 義治 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60273455)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ドラッグデリバリー |
研究実績の概要 |
これまで報告してきたゼラチン微粒子のCDDP 徐放化製剤(以下GM-CDDP)は、初期バースト反応として、ゼラチンに含浸させたCDDP の約20%が生体内に投与した際に分解され放出されることがわかっている。この初期バースト反応によりCDDP による急性期毒性が発生すると考えられるため、分解性・徐放性の改良は、副作用軽減に向けて急務である。今年度は、製法の改良実験を行い2%以下までの初期バーストの抑制に成功している。 新規GM-CDDPの臨床応用に向け、SCID マウスにルシフェラーゼ導入済のヒト胃癌細胞株MKN45 を用いた胃癌腹膜播種モデルを作成した。現在in vivo イメージングシステム(IVIS®)を併用し、腹膜播種を評価しながら、改良をくわえたGM-CDDP の抗腫瘍効果、副作用、体重変化などの評価実験を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、すでにGM-CDDP製剤の最適化、およびルシフェラーゼ導入済のヒト胃癌細胞株MKN45 を用いた胃癌腹膜播種モデルの確立に成功した。 現在はこのモデルを用いて、最適化したGM-CDDP の抗腫瘍効果、副作用、体重変化などの評価実験を行っており、おおむね順調な進展状況であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
作成した胃癌腹膜播種モデルを用いて、最適化したGM-CDDP の抗腫瘍効果、副作用、体重変化などの評価実験を引き続き行い、小動物での薬効・薬理試験も進めていきたいと考えている。 同時に今後はCDDP以外にもカルボプラチンやオキサリプラチンなど他の白金製剤、あるいはタキサン系薬剤、イリノテカンなどのゼラチン粒子を用いた徐放化製剤の開発も行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
有効な利用のため少額の繰越金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
新年度の物品費に充当の予定である。
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