研究課題
本研究では,感染症治療における薬物[抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬]-病原体[細菌・真菌・ウイルス]-宿主[患者]免疫の3者が,相互に関連し合う関係性を解明し,薬物治療法を定量的に最適化することを目的とした。平成29年度には,下記のとおり実施した。薬物動態・病原体耐性・宿主免疫データの収集に関しては,β-ラクタム系抗菌薬(cefepime,flomoxef,imipenem,piperacillin-tazobactam,sulbactam),キノロン系抗菌薬(levofloxacin,pazufloxacin,sitafloxacin),アミノグリコシド系抗菌薬(amikacin,arbekacin),抗耐性菌薬linezolid,teicoplanin,抗真菌薬voriconazoleの血漿中および組織体液(腹水・腹膜・前立腺・精巣上体)中の薬物濃度を測定した。微生物学的試験や殺菌時間曲線試験のデータ,また各種の臨床データを収集することができた。定量的な解析・予測に関しては,薬物動態データおよび基礎・非臨床や治療データを定量的に評価し,母集団pharmacokinetic-pharmacodynamicモデリングおよびMonte Carloランダムシミュレーションなどの手法により,様々な関連性を説明し表現する関係式を構築することができた。感染患者への臨床適用と修正に関しては,薬物,病原体,宿主の特性因子などから,個別最適療法を設計するツールを開発した。そして,患者への臨床適用し,医療現場から適用結果のフィードバックを得ることができた。
すべて 2018 2017
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