研究課題
【臨床試験 新規腎障害予防補助法としてのALAの安全性の確立】先行研究として、「切除不能または再発胃癌患者に対するショートハイドレーション法を用いたS-1+CDDP(シスプラチン)の認容性試験」(川崎医科大学倫理委員会承認000869-1号 UMIN臨床試験登録UMIN000007409号)を行ってきたが、本年度予定登録症例数に達し、検討項目の解析に入った。引き続き行われる本臨床試験は、ショートハイドレーション法を用いたS-1+CDDPに加え、新規腎障害予防法としてALAを併用し、腎障害予防補助法としてのALAの安全性を示すものである(川崎医科大学倫理委員会承認001847号)。ショートハイドレーション群とショートハイドレーション+ALA群間で治療前後の腎機能障害をはじめとした有害事象の発生率に差が無いことを証明する。S-1+シスプラチン+ALA併用;S-1をday1から21日間連日投与、CDDP 60 mg/㎡をday8に投与。5-ALAリン酸1回100 mgを朝昼晩3回内服。CDDP投与4日前のday4からCDDP投与日(day8)を含めてday16まで内服。S-1はday1から21日間連日経口投与。2週間の休薬期間を含めて5週を1コースとする。2コース目以降実施基準をみたす症例についてS-1+CDDP+ALA療法のShort hydrationを行う。倫理委員会承認を受けて本年度より症例登録を開始した。【非臨床試験(動物実験)ALAによるシスプラチン腎障害の抑制効果の検証】ラット腎障害モデルに対して、大量補液とALA投与が同様の病理学的機序でラットモデルにおいて腎障害を防止し得るかどうかを検索する。シスプラチンを腹腔内投与したラットをコントロール群、ハイドレーション群、ALA投与群の3群に分けるが、本年度は各群の条件設定を行った。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、本年度より症例登録を開始した。同意書を取得し、実施基準をみたす症例に対して、S-1+CDDP+ALA療法のShort hydration療法を開始している。
川崎医科大学倫理委員会承認をうけ、初年度は安全性を重視して主幹施設である川崎医科大学附属川崎病院で症例登録とプロトコル治療を開始した。今後は計画通り多施設共同研究として、切除不能または再発胃癌患者に対するショートハイドレーション法を用いたS-1+CDDPの認容性試験に参加している他施設に本試験の参加を募り、早期に目標症例数(40例)の達成を目指す。非臨床試験においては、ラット腎障害モデルに対して、大量補液とALA投与が同様の病理学的機序でラットモデルにおいて腎障害を防止し得るかどうかを検索するため、早急に基礎データの解析を進める。
臨床試験は予定通り開始したが、初年度は安全性を重視して、主幹施設で症例登録と治療を行ったため。
次年度は多施設共同試験としての症例登録および解析に関わる費用、また非臨床試験の遂行のために実験動物購入費および試薬の購入費用にあてる。あわせて研究成果発表にあたり旅費等にあてる予定である。
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Molecular and Clinical Oncology
巻: 3(3) ページ: 527-532