研究課題
宮城県における罹患数とそれを基にした罹患率および亜型分類不能症例を減じた亜型頻度の算出を目的とし、県内血液内科および他診療科と病理部門を対象として、2006年1月~2010年12月に宮城県内で新規発症したリンパ腫とリンパ球性白血病2098例を解析した。生検により診断された症例が1853例、骨髄塗抹標本により診断された症例が232例、病理解剖により診断された症例が13例であり、10万人あたりの罹患率は5年平均で17.8となった。亜型頻度では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、非特異型(diffuse large B-cell lymphoma, NOS)37.6%、濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma)15.7%、節外性濾胞辺縁体粘膜関連リンパ組織リンパ腫(extranodal marginal zone lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue (MALT lymphoma)) 9.1%と続き、亜型分類不能症例は1.04%に留まった。各亜型における男女比では、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫は、欧米と異なり本邦では男性比率が高いことが報告されており、本研究でも2.89 (n=35)と同様の結果であった。成人T細胞性白血病/リンパ腫0.71(白血病型0.42)とMALTリンパ腫0.56(消化管 0.6, 非消化管0.49)にて女性比率の高さが明らかとなった。
3: やや遅れている
double hit lymphomaの臨床病理学的検討を行う予定であったが、DLBCLにおけるBCL2/MYC遺伝子再構成の検討例が限られていたため症例抽出が困難であった。
免疫染色にてBCL2/MYCが強発現しているDLBCLをdouble expression lymphoma症例として抽出し、G分染やFISH解析を追加して両遺伝子再構成を認めるdouble hit lymphoma症例を抽出する。Double expression lymphomaとdouble hit lymphomaの両者で臨床病理学的特徴を検討する。さらに、double hit lymphomaの一部は濾胞性リンパ腫からの形質転換と推定されており、MYC転座陽性濾胞性リンパ腫の抽出とその遺伝子解析を行い、必要量の検体が入手できる例を対象に網羅的ゲノム解析(全エクソンシークエンス)を行う。
年度内で行うべき研究については、使用する費用が充足したため。次年度の研究での使用できることが見込まれたため保留とした。
次年度の研究にあわせて使用予定。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (2件)
Internal Medicine
巻: 55 ページ: 191-196
10.2169/internalmedicine.55.5942.
Int J Hematol.
巻: 103 ページ: 86-94
10.1007/s12185-015-1900-3.
血液内科
巻: 72 ページ: 51-55
BMC Ophthalmol.
巻: 15 ページ: 169
10.1186/s12886-015-0158-0
J Clin Exp Hematop.
巻: 55 ページ: 33-37
10.3960/jslrt.55.33.
Int J Hematol
巻: 101 ページ: 536-542
10.1007/s12185-015-1763-7.
Rinsho Ketsueki
巻: 56 ページ: 2039-2046
10.11406/rinketsu.56.2039.
巻: 71 ページ: 791-796
巻: 71 ページ: 13-18
Medicina
巻: 52 ページ: 2095-2099
腎臓内科・泌尿器科
巻: 2 ページ: 372-377