研究課題
臨床検査においてステロイドホルモン等の低分子代謝物の検査は抗体を用いた免疫学的測定法で行われてきた。免疫学的測定法はスループットの高さや簡便性から臨床検査において必須の技術となっている。しかしながら、この方法では結合タンパク質との解離方法が各メーカーによって異なることや、使用する抗体によって類似構造体の認識能や力価が異なることから、各施設で測定値が異なるという問題点が起こっている。特に低分子代謝物は非常に微細な構造変化でその生理活性が大きく異なることから、正確な測りわけが求められている。そこで本研究では、この分野でイオン化効率の悪さから最も測定が困難とされているビタミンD・エストロゲンを対象として、LC-MS/MSを使用した定量測定法を臨床検査に応用することを第一の目的として行う。また、臨床検査において求められる非常に高度な精度 (トレーサビリティー)・再現性・堅牢性を兼ね備えた測定法を確率するとともに、LC-MS/MS専用の測定キットの開発を行っていく。ビタミンD代謝物5項目・エストロジェン2項目を対象とした測定系の確立は終了し論文にすることができた。本研究で3000検体以上の本邦でのビタミンD代謝物のステータスを明らかにすることができ、現在言われている濃度よりもかなり低いことがわかった。また、検査応用に必要となる測定試薬キット開発に必要な要素技術の特許化も2件行うことができた。今後は各疾患検体での測定を行い、疾患ごとの濃度分布を明らかにしていくとともに、日常臨床検査でLC-MS/MSを使用できるように技術開発・キット開発を進めていく。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)
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